自宅の環境にはWindows PCとMac、それにiPhoneとiPadがあり、バックアップはそれぞれ個別に行なっている。とてもスマートとは言えずエレガントではない。
そこでNASを導入し自宅にクラウド環境を構築しそこにバックアップする方法ができないか考えてみた。その他、写真共有なども行いたいので、そのような環境構築を簡単にできるソリューションを調査したので報告する。

現在の環境

まず、Windows PC はRAID 5 を構築した外付けハードディスクにバックアップしている。そこには4万点を超える写真データと1.5TBを超える動画の編集データ。そして諸々の書類など、合計4TBを超えている。
Macの方はTime Machine経由で別のハードディスクにバックアップ。こちらはほとんどシステムのみで消えてはいけないデータはMacには入れていない。
そして、iPhoneとiPadはiCloudにバックアップだ。それにiPhoneで撮った写真データをiCloudフォトライブラリでMacと同期を取っている。

やりたいこととやりたくないこと

やりたいこととやりたくないことはこうだ。
・それぞれ個別にバックアップしていたものを一つにまとめたい
・iCloudなど外部の環境に写真データを置いておくのは抵抗がある
・iPhoneやMac、それにWindows PCと写真やその他のデータを受け渡ししたい
・たまには知人などに写真を共有したい
・外出先でも自宅に保存しているデータにアクセスしたい
・何かあったときはいつでも直ぐにでもリストアできること

バックアップ先を一つにする

第一の目的であるバックアップを一つのNASに集中管理させること。システムのバックアップも含めるとディスク容量は5TBは必要になる。
現在のRAID 5で構築した外付けハードディスクは2TBを4台構成にしているため6TBは確保できるので、これをNASにUSB接続して引き続き現在のWindows PCに保存しているデータのバックアップに活用する。

Macのバックアップだが、RAID 5構成の外付けハードディスクはWindowsのフォーマットであるため使用できない。パーティションを分けてもいいのだが、混在するのはなんとなくスッキリしないのでやりたくない。
それにMacに接続している(正確にはeGPUに接続している)外付けハードディスクがあるのでそれを使わない手は無い。
ということで、こちらもNASに接続してTime Machineでバックアップする。

次にiPhoneで撮影した写真データはどうするか。それにMacやiPadとも写真データを同期させたいのだ。これはNAS本体にバックアップしてはどうだろうか。
残念ながら今のiOSの標準の写真アプリでは写真データをiCoud以外に保存することはできない。そうすると自宅のNASにバックアップできるアプリが提供しているメーカーに限られることになる。

写真の共有

一眼レフやiPhoneで撮った写真をたまに知人などに見せたいときもある。クラウドの売りでもあるサービスを自宅クラウドでも行いたいのだ。
共有させたい相手には余計なアプリなどをインストールさせたくないので、Webブラウザ経由で共有できればいい。念のため閲覧パスワードもかけたい。

外出先でもアクセス

できれば外出先でも自宅のクラウドに保存したデータにアクセスして写真や書類など読み書きしたい。
だがそれにはセキュリティ上の問題がクリアされなければならない。ユーザーIDとパスワードだけのセキュリティで問題ないのか十分検討する必要はありそうだ。何しろそこを突破されると全データがオープンに曝されるわけだから慎重にならざるをえない。
セキュリティ上の問題がクリアされなければやらないこととする。

NASの構成

以上のことを踏まえるとNASの構成はこうだ。
NASにRAID 5の外付けハードディスクをUSB接続してWindows PCのシステム及びデータのバックアップを行う。
そして別の外付けハードディスクを同じくUSB接続してMacのバックアップを行う。
NAS本体を2ベイにすべきか1ベイでいいか悩んだのだが、結局、RAID 5の外付けハードディスクの容量が空きそうなのでNASに保存したデータのバックアップはそこにすることで、1ベイでもよいと結論付けた。

NAS本体の選択

次に肝心のNAS本体の選択だが、NASのデータを外付けハードディスクへバックアップすることによりNAS自体にRAID 1を組む必要はなくなった。
ミラーリングする必要はないのでドライブベイは1つでも十分だ。当然潤沢な予算があって慎重を期するのなら2ベイまたは4ベイを選択してRAID1とかRAID5を組むのだが、それほど予算に余裕はない。
ならばきっぱりと諦めて1ベイのNASとする。

機種をどうするか。NASは日本のメーカーや海外のメーカーから様々な種類のNASが発売されている。
大別するとハードディスク内臓型とハードディスクは別途用意するタイプに別れる。
私の場合、ハードディスクには拘りがあるのでハードディスクは別売りのを選択する。ハードディスクは必ず故障するものだ。それならば故障率が小さい方がよい。ハードディスクメーカーからはNAS用途向けに24時間365日運転でも耐えられるように設計されたハードディスクがある。
値段はコンシューマー向けのディスクより高いが少しでも長く使用したいのでNAS用途向けのディスクを選択する。
ただし、使用し続けて入れば必ず故障する。メーカーによって異なるが保証期間はコンシューマー向けが2年、NAS用途向けは3年だが3年間故障しないということではない。
ハードディスクの容量だが現時点でコストパフォーマンスに優れている4TBが狙い目だろう。次の交換時期にはおそらく8TBの値段が下がっているはずだ。
今回はSeagate社のNAS向け4TBが割引感が高いのでこれに決定した。

NASの機種

まずはメーカーの選択だが、候補はQNAPとSynologyだ。共に台湾のメーカーでである。
QNAP社は10年以上前からNASの開発を行なっており2015年には日本法人を設立して早い段階でNASの開発に力を入れている企業だ。
一方のSynology社は元々ソフトウェア開発を主に行なっていたが、近年NASの開発の強化をしており2018年4月に日本法人を設立しNASのメーカーとして急成長している企業だ。
どちらのメーカーも多種多様な機種を発売しており個人向けから企業向けまで様々だ。

私の場合、1ベイで十分で、かつバックアップに外付けハードディスクを使用するので、USBがあることが大前提となる。また、速度的にもUSB3.1は必須と考えている。
また、やりたいことでも書いたが、写真の同期やデータの共有、さらには外部からも共有させたいので、それができるアプリが組み込まれている必要がある。

また、データ量が多いため性能も重要な課題となってくる。そのようなことを考えて次の2機種に的を絞って見た。
まず、QNAPだが1ベイの機種は意外と少なく2機種しかない。1機種はエントリーモデルなので除外し、残った1機種を選定
・TS-131P(現時点で、Amazonで 23,780円だが他社からの販売となっている)
次にSynologyだが、こちらも2機種のみで同じように1機種はエントリーモデルのため除外。残った1機種を選定
・DS118(現時点で、Amazonで 17,322円)
両機種の性能を簡単に比較したので参考にしてほしい。

  TS-131P DS118
CPU デュアルコア1.7GHz クアッドコア1.4GHz
メモリ 1GB DDR3 1GB DDR4
LAN ギガビットイーサ x 1 ギガビットイーサ x 1
USB USB 3.0 x 3 USB 3.0 x 2
ノイズレベル 15.8dB(A) 16.7dB(A)

また、写真の同期や共有など一通りのクラウドサービス機能については2機種とも可能なようだ。
その結果、CPUとメモリに性能差があり、かつ、価格も安いことからSynology DiskStation DS118 を導入することに決定した。

Synology DiskStation DS118

まとめ

今回は「複数の端末にある写真などの大切なデータのバックアップを一から考え直す自宅クラウド」と題して自宅にクラウド環境を構築する際の要件を考え、そのための必要な機材を選定した。

次回は、実際にクラウド環境を構築してバックアップや写真共有の運用がうまく機能できるかをお届けしたいと思う。

こちらの記事も参考にしていただけると幸いだ。