鉛筆で人物をリアルに描くにはコツがあります。そのコツさえ掴めば誰でもリアルな人物画を鉛筆で描けるようになるのです。
これは私が鉛筆で描いたメイキング動画です。再生ボタンを押して、描いているところをチェックしてみてください。
画材
私が使った画材はこれだけです。鉛筆画はお金をかけずに描けるのです。
・鉛筆(HB、6B、10B)
・練り消しゴム
・ティッシュ
・ケント紙(コピー用紙でも構いませんが私は好んでケント紙を使用しています)
コツその1「光と陰を見極める」
鉛筆は当然ながら黒一色しかありません。その黒一色でどうやって表現するかということですが、1番に大切なことは光と陰を見極めるということです。
人間の視覚は光があって初めて物を認識できます。光は必ず陰も生み出します。その光と陰を見極めて描けば自ずと綺麗な鉛筆画が出来上がります。
人物の顔は平坦ではありません。鼻や目、口、それに顎とか頬骨とか凹凸に満ちています。人物の顔をよく見て光と陰を捉えてください。
鉛筆画の場合、光は白で表現し陰は黒で表現します。光を表現する場合、後から消しゴムで消してハイライトを入れることでも表現できますが、出来るだけ消すという作業は行わず、最初から描かないようにしてみてください。
そうすることにより最初から顔を表現できるので、より一層描きやすくなります。
コツその2「濃淡を捉える」
人物の顔は四角ではなく丸みを帯びています。丸いということは光から陰に移行するとき陰に濃淡が発生します。
つまり光に近い部分は薄い陰だし光に遠い部分は濃い陰です。
その濃淡を捉えることにより人物の顔がよりリアルに表現することができるのです。
濃淡の付け方には様々な手法があります。私が簡単にそして家にあるものでできる方法をお教えします。
それはティッシュを使うということです。ティッシュで擦ればぼかしができます。そのぼかしを利用して濃淡を表現するのです。
私が描いたメイキング動画にも頻繁にティッシュで擦っている場面があるので参考にしてみてください。
もっとも、大切なことは鉛筆で描くときに光の部分は薄く軽く描いていきます。私の場合、HBで軽く描いています。そして陰の部分は6Bで軽く描いています。
薄く軽く描くことでティッシュでぼかすときにぼかしやすくなります。
コツその3「黒を表現する」
黒を表現するという意味が分かりにくいかもしれません。簡単言うと黒い部分は思い切って黒く塗りつぶすということです。
黒い部分は陰以外にもあります。それは唇であったり髪であったり瞳であったりと以外にも多いものです。
黒を思い切って黒く描くことにより、引き締まった絵にしてくれます。
私の場合、黒く表現したい部分は10Bで描いています。そうすることによってリアルで引き締まった人物画になるのです。
画材について
最後に画材について簡単にご紹介しておきます。
最初にも書きましたが、鉛筆画の場合、最低限、紙と鉛筆さえあれば描くことができます。鉛筆画の素晴らしいところですね。
リアルな人物画を描こうとした場合、プラスαがいります。
1つは鉛筆です。鉛筆は一般的には家に必ずあるものですね。HBだけでも描くには描けますが、できればHBの他に6Bと10Bは揃えておいた方がいいでしょう。10Bはなかなか手に入りにくいかもしれませんが、画材専門店ではなくても文房具店でも売っているところはありますので、一度チェックしてみてはどうでしょうか。
次に用紙です。用紙は一般的に手に入りやすいコピー用紙でもいいのですが、私はケント紙をお勧めします。
ケント紙は表面がツルツルなので、慣れない間は描きにくいと思うかもしれません。それでもケント紙に慣れてしまえば、コピー用紙よりもケント紙の方がいいと思うでしょう。
リアルな人物画を描きたいのであればケント紙をお勧めします。
鉛筆の芯の材料は黒鉛でできています。そして紙は凹凸があり、鉛筆の黒鉛が紙の凸の部分に付着して黒色が表現されます。
ケント紙はその凹凸が少ないのでツルツルな用紙になっています。凹凸が少ない分、黒鉛が付着しない部分が少ないのでティシュでぼかしたときに効果が発揮されます。
試しにコピー用紙とケント紙に6Bで描いてティッシュで擦ってみました。擦った後に違いがあるのが分かるでしょうか。上がコピー用紙で下がケント紙です。


まとめ
いかがでしたか。鉛筆でリアルな人物を描くときは、以下のことを意識して描くと上達する早道になると思います。
そして描き続けることが大切です。
・光と陰を見極める
・濃淡を捉える
・黒を表現する
これを読んで鉛筆を取って描きたくなったと思っていただけたのなら幸いです。
色鉛筆は全く異なる手法を用いて描くことになります。鉛筆画よりも時間がかかるし大変ですが、色鉛筆も楽しいですよ。
下の動画は私が色鉛筆で描いた動画です。こちらも見ていてただけると幸いです。