MacBook Pro 13インチを外に持ち出してカフェなどで使用したいと考えている人も多いと思うが、GPUがIntelのIrisシリーズなのがネックとなり、なかなか購入に踏み切れない人も多いのではないだろうか。
そこで、Appleが公式サイトでも正式に掲載している外付けグラフィックスプロセッサのBlackmagic eGPUをMacBook Pro 13インチに繋げたらどうなるかレビューしたいと思う。

eGPUについて

そもそもeGPUとは何か。

eGPUとはexternal GPU(Graphic Processing Unit)の略で、そのまま外付けグラフィックスプロセッサのことだ。
Mac ではmacOS High Sierra から外部GPUをサポートした。MacはGPUの交換が不可能なので外部GPUをサポートしたのは非常にありがたい。
特にMacBook系はMacBook Pro 15インチを除いてGPUは非力なので嬉しい限りだ。

eGPUはMac に限らずWindows PC でもサポートされている。Windows ではデスクトップPCはグラフィックスカードを交換できるがノートPCでは不可能だ。ノートPCユーザーは強力な外部GPUと接続することによる力の恩恵は大きいだろう。とくにゲームをするユーザーにはありがたいことだ。ただしThunderbolt 3が搭載されているPCに限る。
WindowsではAMD Radeonの他にNVIDIA GeForceや、更に上位クラスのTITANも選択できる。羨ましい限りである。

eGPUはThunderbolt 1 のころからその構想はあったが、実用的になったのはThunderbolt 3になってからだ。まだまだ、新しい技術ということになる。

Appleの公式推奨eGPU

AppleがeGPUを公式に推奨しているのは、今のところ下記の2製品だ。
・Blackmagic eGPU
・Sonnet Radeon RX 570 eGFX Breakaway Puck
Sonnetはコンパクトで持ち運びはできるのだが、Blackmagic は持ち運びは無理だろう。何しろ重さは4kgを超えている。
今回はBlackmagic eGPUについてレビューしたいと思う。

Blackmagic eGPU
Sonnet Radeon RX 570 eGFX Breakaway Puck

Blackmagic eGPU

現在までのところ、Blackmagic eGPUはApple Store でのみ販売されている。したがって値引きもなくお高い。税抜き89,800円だ。そうそう簡単に購入できる価格ではない。
そのため、この投稿を参考にしていただけると幸いである。

それでは、まずはBlackmagic eGPUの仕様を見ていこう。

Radeon Pro 580 メモリ8GB
4KをサポートしたHDMI 2.0ポート x1
Thunderbolt 3 USB-Cポート(85Wホスト充電機能) x2
USB-Aポート x4。USB 3.1 Gen1

いたってシンプルな構成だ。残念なことはDisplayPortが無いということだ。HDMIはあるもののDisplayPortは欲しかった。
また、ディスプレイは1台しか接続できないのでマルチディスプレイに出来なのも少々残念である。

肝心のグラフィックスカードだがRadeon Pro 580が搭載されている。これは現在のところiMacで選択できる最高スペックのグラフィックスだ。
ちなみにiMac Pro はRadeon Pro Vega 56 またはオプションで64を選択できるので、iMac Pro には届かないレベルだ。
MacBook Pro 15インチはRadeon Pro 560 メモリ4GBなので、それよりは上のクラスだ。

NVIDIA との性能を比較した表がある。Radeon RXは市販用の製品名だ。Radeon Pro はMac用にカスタマイズされた製品なのだが、性能についてはほぼ同等ではないだろうか。
上を見ればキリがないのだが、そこそこのスペックはあると思われる。

付属品

付属品は電源コードと0.3mのThunderbolt 3ケーブルのみ。
電源コードは三つ又タイプなので気をつけよう。ちなみに私は通常の二又タイプの電源コードを使用している。
また、Thunderbolt 3ケーブルも0.3mと短いため私は別途Appleから販売されている0.8mのThunderbolt 3ケーブルを購入して使用している。

ファーストインプレッション

とにかくデカい。重い。そしてかっこいい。
そして動作しているのかどうか不安になるくらい静音だ。通気は下から上に吹き出すタイプで、上の通気口を手で触るとかすかに風が流れている感覚がする。
この辺は、伊達に筐体がでかいわけでは無いようだ。

接続は簡単で電源コードを接続しThunderbolt 3でMacBook Pro 13インチに接続する。それだけだ。ドライバーのインストールも一切不要だ。
接続するとメニューバーにプロセッサーのようなアイコンが現れ、そこをクリックすると「”AMD Radeon Pro 580″ を接続解除」と表示される。これが接続できたことの証だ。
また、設定などもできないので、これ以上、何もすることはない。Appleが正式にサポートしていることだけあって、接続に四苦八苦することはないだろう。

電源ON/OFF

動作は完全にMacBook Pro と一体化している。MacBook Pro 2018年モデルは電源ボタンが無い。MacBook Proを開けば電源が入るし閉めればスリープする。Blackmagic eGPUもそれに合わせてON/OFFされる。第一、Blackmagic eGPUにも電源ボタンが無い。

そして、Thunderbolt 3で接続されたUSB Type-Cからは85Wの電源供給もされるので、完全にThunderbolt 3ケーブル1本で完結する。

Time Machine

Blackmagic eGPUに外付けハードディスクをUSB3.1で接続すれば、すぐにでもTime Machineができあがる。MacBook Pro に接続することもなく固定に置いておく製品同士を接続することによって、MacBook Pro 13インチの起動性は確保されたままだ。 
なにしろ、「”AMD Radeon Pro 580″ を接続解除」を選択するだけで、外付けハードディスクも解除されるわけだ。

性能

性能については、言うまでもなくRadeon Pro 580の恩恵は大きい。Final Cut Pro X のレンダリング速度はIntel のIrisシリーズで実行したものと比べ物にならないくらい早い。爆速だ。この速さに感動したくらいだ。

Final Cut Pro X については下記の記事も参考にしてほしい。

どうやらeGPUを使うかどうかはアプリケーションにかかっているようだ。
Premiere Pro は全く使用されず、eGPUがあってもなくても同じ結果だった。また、Photoshop も現時点でeGPUはサポートしていないようだ。

Photoshopの設定画面

Adobe製品はまだeGPUには対応していないのだろう。早期に対応されることを願うばかりだ。

eGPUはMacBook Pro 13インチモデルの為にある

eGPUはMacBook Pro 13インチの為にあるのではないかと思うほど、そのソリューションは完璧だ。
私の場合、外出先で記事を書き、家に帰って動画編集を行うという感じだ。
今まではIntel Irisシリーズが搭載されているMacBook Pro 13インチがどうしても購入に踏み切れず、結局大きな15インチを使用していた。
15インチだとどうしても重くて持ち運ぶ気にはなれず、せっかくのノートPCなのにデスクトップPCのような使い方をしていた。勿体無い。

ところがeGPUの登場でその考え方は変わった。13インチの起動性が活かせるしMacBook Pro のプロで使用できるパワーも手に入れたのだ。

つまり、MacBook Pro 13インチとBlackmagic eGPUは最強のコンビということだ。
15インチしか使ったことがなかった私が、初めて13インチのMacBook Pro が欲しいと思った理由はこのeGPUに尽きる。

そもそも、MacBook Pro 13インチでも15インチのように外部GPUを内臓してくれていれば、このような出費をしなくても済んだのだが、そうもいかないのだろう。

CINEBENCHでベンチマーク

【2019年02月01日 更新】

CINEBENCH R15 でベンチマークを取ってみた。以下はその結果だ。
まずは、Blackmagic eGPUに搭載のAMD Radeon Pro 580。結果は61.13となった。この数字は大きければ大きいほどGPUの処理速度は早いということになる。

続いてeGPUを接続解除してMacBook Pro 13インチの標準GPUで計測した。意外にもあまり差がないように見える。

参考までにWindowsマシンに搭載のGeForce GTX-1070の結果を載せておこう。見ての通り早い。

余談であるが、第8世代のCore i5と第7世代のCore i7 もベンチマークを取ってみた。上のキャプチャが第8世代のCore i5で、下のキャプチャが第7世代のCore i7だ。クロック周波数の違いがあるが前世代のCore i7の方が早かった。

まとめ

MacBook Pro 13インチの購入がGPUの非力のせいで躊躇しているのであれば、高い出費にはなるがBlackmagic eGPUの追加購入を考えて見てはいかがだろうか。

Blackmagic eGPUはおすすめの製品である。


【2018年10月06日 更新】

モニター出力にHDMIしかないが、USB-C to DisplayPort 変換ケーブルを用いればデュアルディスプレイにすることは可能だ。
実際に以下の製品を使用して4Kディスプレイに接続して問題なくデュアルディスプレイ環境が構築できている。

【2018年10月21日 更新】

2018年10月15日、Adobe社はPhotoshop CCを含む他のCreative Cloud製品を一気にメジャーアップデートしました。PhotoshopについてはPhotoshop CC 2019となり、ようやくeGPUをサポートしたようです。

Photoshop CC 2019の設定画面

【2018年11月25日 更新】

2018年11月下旬にBlackmagic eGPU Proが発売されるようです。Apple Store限定販売になります。現時点でまだ販売開始されていません。
スペックは下記の通り。
・Radeon RX Vega 56グラフィックプロセッサ(8GB HBM2メモリ搭載)
・Thunderbolt 3ポート x 2
・USB 3ポート x 4
・HDMI 2.0ポート
・DisplayPort 1.4ポート
・85Wの電力供給

なんといってもRadeon RX Vega 56が搭載されたことが大きいですね。iMac Pro に標準搭載されているグラフィックと同じです。
もう一点、ようやくDisplayPortがサポートされました。これでデュアルモニタ環境が手軽に構築可能になりました。

とはいえ、お値段¥149,000 (税別)

なかなか強気な設定です。。。


Blackmagic eGPU Pro についてはこちらの記事もご参照ください。

Blackmagic eGPUとFinal Cut Pro Xについて改めて検証してみたので、こちらの記事も参考願いたい。