さて前回は複数端末にあるデータのバックアップを一から考え直すという記事を書いた。今回はその続編として実際にSynologyのNASを導入してiPhoneに溜まっている写真をNASにバックアップする運用を開始したので、その感想と方法を解説してみたいと思う。

導入したNAS

導入したNASはSynology DS118だ。1ベイタイプなのでハードディスクは1台しか搭載できない。
NASの主流は2ベイでRAIDを組めるタイプが多い。購入前に色々と調べてみると機種も豊富で選択の幅が広い。1ベイはSynologyの場合、2機種しかなく1つはコンシューマー向けのため、実質今回導入したDS118の一択となってしまった。
なぜ、1ベイにこだわるかというとNASのバックアップはRAID5で組んだ外付けハードディスクにするためだ。

Synology DS118

外観はオールプラスチックだが表面に特殊加工が施されているので安っぽさは感じられない。

OSのセットアップ

すでにOSのセットアップが完了している場合は、ここは読み飛ばしてもらいたい。

DS118はハードディスクは別売りなので、まずハードディスクをNAS本体に設置。そして電源コードとLANケーブルを接続し電源をONにする。

そうすると自動的にOSがセットアップされデフォルトで設定が完了する。あとは必要なアプリケーションをインストールするだけだ。
その後は必要に応じて設定を変えていけばいい。

その手順を下記に記述する。

1.DS118にアクセス

DS118の電源を入れPCのWebブラウザから次のいづれかの方法でアドレスを指定してDS118にアクセスする。
・http://find.synology.com
・http://diskstation:5000

2.設定ボタンをクリック

アクセスできると下図のようなようこそ画面が表示されるので、そのまま「設定」ボタンをクリックする。

3.今すぐインストールをクリック

DiskStation Manager(DSM)はSynology NASの専用OSだ。「今すぐインストール」をクリックしてOSをインストールする。

自動的にダウンロードされ、そのままOSのインストールが始まる。

4.管理者アカウントを作成

管理者アカウントと共にサーバー名も設定し「次へ」をクリックする。

5.DSM アップデートとメンテナンスを設定

OSのアップデートを自動で行うのか手動で行うのかを選択して「次へ」をクリックする。自動でインストールする場合は時間も指定できる。

6.QuickConnectの設定

iPhone からアクセスする為には、このQuickConnect IDが必要になる。外からアクセスしないのであれば、この設定はスキップしてもいいが、そうでないのなら設定しておく。
同時にSynologyにもアカウントが作られてしまうようだがいたしかたない。
それが嫌なら自分でポートを解放して設定を駆使すればできなくはないが、ネットワークの知識がないとできないので、ここは素直に作成することにした。

7.OSセットアップの完了

ここまでのステップでOSのセットアップは完了した。
続けてユーザーの追加、Photoアプリの追加、さらにはiPhoneに「DS Photo」というアプリをインストールしていく。

ユーザーの追加

iPhoneの写真をアップロードできるユーザーを追加する。OSインストール時に設定した管理者用のアカウントを使いまわすのはよくないので、ユーザーはきちんと切り分けた方がよいだろう。

1.コントロールパネルから「ユーザー」をクリック

DS118の設定はそのままWebブラウザ上で行う。DS118の画面はPCのデスクトップのようなデザインとなっているため、非常にわかりやすい。

まず、デスクトップからコントロールパネルをクリックしコントロールパネルを開く。そこにユーザーというアイコンがあるので「ユーザー」をクリックする。

2.作成をクリック

3.ユーザー情報を入力する

名前とパスワードを入力する。名前となっているが、これがアカウント名になるので、英字の方がよいだろう。アカウント名はなんでも良いのでわかりやすIDを登録する。
他にもところどころローカライズに変なところもあるが、とりあえず気にしない。
ここではわかりやすいように「user」とした。

4.グループの選択

続いてグループ(つまり権限)の選択だが通常の「users」グループを選択。権限については「administrators」を設定すると他のユーザーのデータも見れてしまう為、通常ユーザーにしおく。
たとえば、家族でiPhoneの写真をバックアップをするとき、いくら家族でも見られたくない写真もあるだろう。そのためにも「users」にしておこう。

5.共有設定

次は共有設定だ。家族間で写真やデータを共有したいときに設定する項目だが、今回は省略する。もちろんあとで設定を変更することも可能だ。

6.ディスク容量の割り当て

ディスク容量の限度を割り当てすることができる。例えば1024GBとすると上限1TBが割り当てできる。
自宅で利用するのであれば特に上限は設定する必要はないだろう。その場合は、0GBのままとする。

7.アプリケーション権限の割り当て

iPhoneの写真をバックアップする目的なので、ここも省略する。

8.速度制限の設定

ここも制限無しのままとする。0は制限無しという意味だ。

9.設定の確認

最後に設定の確認を行い問題なければ「適用」をクリックしてユーザーの追加は終了だ。
このようにユーザーの設定は細かいところまで簡単に設定することが可能である。

photoアプリのインストールと設定

次はphotoアプリケーションのインストールと設定だ。photoアプリケーションはデフォルトではインストールされていない為、個別にインストールする必要がある。

1.photoアプリケーションのインストール

パッケージセンターをクリックしphoto stationの「インストール」をクリックする

2.開くをクリック

photo station のダウンロードとインストールが完了すると「開く」ボタンに変わるのでそのまま「開く」をクリックする。

3.photo station アプリケーションからフォルダを追加する

photo station の開くをクリックするとphoto station アプリケーションが起動される。そこから「追加」をクリックしフォルダの追加を設定する。

4.フォルダの設定

フォルダ名を入力し許可タイプを選択する。許可タイプは前述の通りプライベートな設定を重視するため、個人アルバムを選択する。
個人アルバムの他には公開アルバム、パスワードというものがあるが、これは共有目的のフォルダだ。

5.権限の割り当て

「権限の割り当て」をクリックしこのフォルダにアクセスできるユーザーを割り当てる。
ユーザーの追加で設定したuserを管理にチェックすると全てチェックできる。これで、userのユーザーだけが読み書きできるフォルダーとなったわけだ。
他のユーザーは見ることすらできない。ただし、管理者権限(administrator)は全てのユーザーの情報を全て見ることも変更することも可能なのだ。
私が外部のクラウドに抵抗があるのはこのためだ。

これでNASの設定は完了だ。
最後はiPhone側の設定となる。

iPhoneでDS photoをインストール&設定する

まずはiPhoneのApp Storeから「DS photo」で検索しアプリをインストールする。DS photo はSynology社が作成したアプリケーションだ。

1.DS118にログインする

DS photoを開くとNASにログインする画面が表示される。
OSのインストール時に設定したQuickConnect IDとユーザー追加したユーザーIDとパスワードを入力してログインする。

2.アップロードの設定

ログインすると左上に 「横3本」マークがあるので、そこをタップしメニューを表示する。
表示されたメニューの「画像バックアップ」をタップする。

3.上矢印マークをタップ

画像バックアップ画面の右上に上矢印があるのでそこをタップする。

4.再びログインする

再びアカウントを入力しログインする。
この挙動がよくわからないのだが、最初にログインした情報は引き継げないのかと感じてしまう。2度目のログインは全く無意味としか思えない。

5.アップロードの設定

ログインすると画像バックアップの設定画面が表示される。
そこでアルバムを選択する。

6.アルバムの選択

photo station で設定したフォルダが表示されるはずだ。そのフォルダをチェックし「完了」をタップする。

7.geofence の設定

geofenceを設定することで効率的なデータアップロードができるようだがとりあえず「なし」で設定する。
これについては、今後記事にまとめる予定だ。

8.アップロードが開始される

ここまで設定するとすぐにでもアップロードは開始されバックアップされていく。iOSの制約でアップロードに時間がかかる画像は途中で止まってしまう。一度にアップロードできる時間は3〜10分のようだ。

バックアップの確認

最後にiPhoneの写真が本当にNASにバックアップされているかチェックしてみよう。問題なくアップロードされていればiPhone の写真をSynology DS118にバックアップする手順は完了だ。

まとめ

どうだろうか。難しそうなイメージのあるNASだが優れたアプリケーションのおかげでクリックのみでiPhoneの写真をバックアップすることはできた。

あたかもiCloudやDropBox、OneDriveといったクラウドサービスと同じようにバックアップが完了した。
このように自宅でもクラウド環境はできてしまうのだからNASを導入する手はない。
ただし、いくら自宅に構築したNASとはいえ、外部から侵入されない保証はない。常日頃、NASやルーターのログを監視することは大切だ。これはクラウド企業が常日頃行なっているセキュリティーチェックを個人で行わなければならないということだ。
なおかつ、バックアップを怠らないようにすることは現代では必須である。

いかがだっただろうか。
今回はNASにiPhoneの写真をバックアップする方法をお届けしたが、次回はTime MachineをNASに設定してMac をバックアップしたいと思う。