Blackmagic eGPU(Radeon Pro 580搭載)が2018年7月に発売開始され、それからわずか4ヶ月あまりでBlackmagic eGPU Pro(Radeon RX Vega 56搭載)が発表された。現在、Apple Storeから価格が¥149,000 (税別)で販売中。従来製品が¥89,800 (税別)なので価格差¥59,200 (税別)だ。
そこで今回はBlackmagic eGPU Proが本当に必要なのか、¥149,000 (税別)を出費してまで購入するに値するのか考えてみた。

ベンチマーク

まずはベンチマークから他の製品と比較してみよう。PC GAMERからベンチマークが出ているので参考にさせてもらった。
このベンチマークにはRadeon RX 580やGeForce GTXシリーズも掲載されているので参考になるだろう。Radeon RX 580はRadeonのリテール品の製品名だ。MacにおいてはRadeon Proとして搭載されている。

出典元;https://www.pcgamer.com/amd-radeon-rx-vega-64-review/

こうしてみると性能差は一目瞭然。Radeon Pro 580よりもRX Vega 56の方が26%も性能が向上していることになる。

それでは他社製と比較してみるとどうか。RX 580はGeForce GTX 1060と同等。RX Vega 56は同GTX 1070と同等ということがわかる。

グラフィックスボードにおいてAMDとNVIDIAはライバル企業であり各製品の対抗として下記のような関係になっている。

  • Radeon RX 580 vs GeForce GTX 1060
  • Radeon RX Vega 56 vs GeForce GTX 1070
  • Radeon RX Vega 64 vs GeForce GTX 1080

しかし、AMDはVega 64が最上位機種なのに比べてNVIDIAはより高性能なGTX 1080Ti、さらにTITANシリーズや今年投入された新シリーズのRTX 20シリーズなどAMDに比べると圧倒的な性能差で上を行く製品を次々に投入しうている。

このようにNVIDIAに目を向けてみるとVega 56とはいってもその性能は諸手を挙げて喜ぶほどではない。

ちなみにRTX 20シリーズのベンチマークもPC GAMERに掲載されているので参考にしていただきたい。

出典元:Nvidia GeForce RTX 2080 benchmark, release date, and everything you need to know | PC Gamer

仕様比較

次にBlackmagic eGPUとBlackmagic eGPU Proの仕様を比較してみた。違いは2点。グラフィックスボードとDisplayPortだ。
DisplayPortがサポートされたことは大きい。容易にデュアルディスプレイ環境が構築できるからだ。
さらにHDMIは4KディスプレイまでのサポートだがDisplayPort1.4は5Kディスプレイまでサポートしている。5Kディスプレイはまだまだ高価だが、4Kディスプレイが比較的購入しやすい価格となった現在、5Kディスプレイの価格も下がることは時間の問題と考える。

価格について考える

次に価格について考えてみたい。先にも記載したとおり、Blackmagic eGPUが¥89,800 (税別)でBlackmagic eGPU Proが¥149,000 (税別)だ。その差、¥59,200 (税別)ということになる。

Apple Store のカスタマイズモデルでMacBook Pro 15” をRadeon Pro 560XからRadeon Pro Vega 20 に変更しても +¥38,500(税別)なので、それより価格差があるわけだ。たしかにVega 20とVega 56の差はあるが、それにしても割高と考えるのは私だけだろうか。

MacBook Pro 13” とBlackmagic eGPU Pro を購入するとなるとこうなる。
Touch Bar搭載で最安モデルが¥198,800 (税別)。それにBlackmagic eGPU Proの¥149,000 (税別)が加わって合計¥347,800 (税別)となる。

MacBook Pro 15” が上記Vega 20 にカスタマイズ可能なモデルが¥302,800 (税別)でVega 20 にカスタマイズした場合、¥341,300 (税別)なのだ。

これをどう思うかは人それぞれで、置かれた使用環境にもよるだろう。
ちなみに上記のMacBook Pro 13” はCPUが4コアでメモリが8GBなのに対してMacBook Pro 15”はCPUが6コアでメモリが16GBなのでグラフィックス以外の性能面でも15”の方が上だ。

もう一つ考えてもいいことは、この秋になんと4年ぶりに刷新したMac miniをベースに環境構築してもいいということだ。
Mac miniならCPUが6コアのモデルでも¥122,800 (税別)から購入可能だ。このMac miniもグラフィックスは非力でIntel UHD Graphics 630なのだ。これにBlackmagic eGPU Proを導入してみるのもいいだろう。
合計、¥271,800 (税別)からだ。

新型Mac mini についてはおいおいレビューしていきたいと思う。

eGPUはBlackmagicだけでない

実はeGPUは他社からもいくつか製品が出されている。Appleの公式Webサイトでは下記のことが記載されている。Mac側もThunderbolt 3搭載機種は必須である。

「推奨される Thunderbolt 3 対応の一体型 eGPU は、以下の通りです。」

  • Blackmagic eGPU
  • Sonnet Radeon RX 570 eGFX Breakaway Puck

Mac で外付けのグラフィックプロセッサを使う – Apple サポート

Blackmagic 以外にもSonnetのeGPUもサポートされているようだ。ともにRadeonなのだが、Appleは残念ながらNVIDIAには今でも対応を表明していない。

そのためAMD Radeonより比較的安くて高性能なGeForceを使いたくても使えないのが実情だ。

それでは、選択肢をAMD Radeon にするとして他に製品はあるのか。それはある。
eGPUの構成は大きく分けて2つある。1つはRadeonのグラフィックスボードと、それを収納するGPUボックスだ。グラフィックスボードは以前から単体で製品が発売されているので自作する方以外でも知っている方も多いだろう。

GPUボックスはグラフィックスボードは別売りで発売されている。例えば次の製品だ。Razer Core X。

Razer Core X

Razer Core X – Thunderbolt™ 3 eGPU

Razer社といえばゲーミングマウスやゲーミングキーボード、ゲーミングPCなどゲーミングに特化した製品を発売しているメーカーだ。
そのRazer社からMacにも正式に対応を表明しているGPUボックスが発売されている。

Mac 互換グラフィックスチップセットは下記の通り。
AMD Radeon RX 570
AMD Radeon RX580
AMD Radeon Pro WX 7100
AMD Radeon RX Vega 56
AMD Radeon RX Vega 64
AMD Vega Frontier Edition Air
AMD Radeon Pro WX 9100

価格は直販¥32,800(税別)なので決して高い製品ではない。ただし上記のグラフィックスボードは別途購入する必要はある。

Radeon RX Vega 56は単体では約¥60,000なので合計でも10万円以下には抑えられそうだ。
グラフィックスボードは各社から発売されているので確認してほしい。

まとめ

いかがだっただろうか。Blackmagic eGPU Proが本当に必要なのかどうか今一度考えてみた。

この製品を使用するかしないかは人それぞれで異なるだろう。仕事で使う人、個人で使う人、いろいろあるだろう。

しかし他の選択肢もあるということを念頭に置いて考えてみてほしい。それでも必要であれば購入するに値するだろう。なにしろAppleが正式にサポートを表明している数少ないeGPU製品だからだ。接続がうまくいかないということはなさそうだ。


【2019年3月24日 更新】

最近では中古品も出回っているようだ。もし中古でもいいようであれば、中古販売サイトを検索してみてはいかがだろうか。


謝辞

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